ケア効果は、事前の〇〇で決まる
- 実希 宮田
- 2020年8月20日
- 読了時間: 4分
先日、ある看護学校さんへ
母性看護学の学内実習指導に外部講師として出向かせていただきました。
コロナのために臨地実習へ行けなくなってしまった学生さんへ向け
特例として学内実習で代替えするという企画でした。
今日はその中で
「エジンバラ産後うつ病問診票」
という、ご存知の方も多いかも知れませんが
妊産婦のうつ病のスクリーニング
母親の抱える様々な問題を明らかにするためのツール
等として多く活用されている問診票を通して
学生さんに体験していただいたロールプレイでの学びを
ご紹介しますね^_^
今回は学生さんに
「産後のママとして」のポジション で
ちょっとした2パターンの「前提」を付けて体験していただきました。
その中でとっても印象深かったのは
この「エジンバラ産後うつ病問診票」を
”とっても価値あるものとして受け取ってもらうための前準備”
を行なってから、実際に問診を体験していただいとき
「辛い気持ちも、ここに書いて良いんだなって安心できて…。
今の自分のありのままをここに記して、相談もしたいと思った」
「今後についてすごく安心できて、このアンケートのサポートが有り難いと思った」
「産後って色々あるけど、今の自分の状態をこのアンケートでも確認できて
肩の荷が降りたような、これから前向きになれるような…」
などの思いが表出され
また一方で
”不十分な前準備のもと”
同様に問診を体験していただいたグループでは
「うつ…って聞いたとき、ちょっとドキッとして
今つらいっていう気持ちを出すのに躊躇して、
本当の気持ちにマルを付けられなかった」
「疑われるような項目にマルを付けたら
今後もしかしたら子どもと一緒に居られなくなったり…
そんなことも考えちゃって… 無難に回答した」
「回答しながら、出来てない自分が母親失格みたいに
思えてきて、惨めになってきた」
という感覚を感想として出してくれました。
問診票を行なってもらう
ほんの1分程度の
”前準備”
を効果的なものにするか
不十分にしてしまうか で
こんなにも、アンケートを行なってみての感想が変わり
私もびっくりし、とっても考えさせられた体験になりました!
これは
簡単にいうと
「相手が、受け取りやすいものにするための、準備」
を意識的に、効果的に行うか、どうか
ということです^_^
例えば
お友達に、めいいっぱい心を込めて
プレゼントを送るとき
プレゼントの選択
中身はもちろんのこと
どんな包み紙で、いつどんな風に渡そうか?!
って考えますよね?!
いくら
中身はあなたにとって、すごく役立つ物だから!
と心を込めても
少なくとも
包み紙が見当たらないから、時間も無いから…といって
汚れた新聞紙や
誰が見ても綺麗とは思えない物で敢えて包んで
どこかに置いておいて自分で勝手に取りに来て!
などとはしない筈です。
どんなに良い物でも
どんなに効果的な役立つツールでも
それを受け取ってもらいたくなるような
前準備は大事だし
前準備が十分であれば、それと同時に
中身の価値も、それに比例するはずです^_^
この前準備のツールを
「プリ・フレーム」
と言います!
言い換えると
何かを提供したり
お願いしたり
サポートするとき
その内容が
「その人の役に立つような、先入観を持ってもらう」
前準備をしっかり行う
ということなんです。
そのことの目的をお伝えしたりするのも、その一つですし
相手がもし、その事柄に対し、良くないイメージや先入観を持っているとしたら
その先入観が外れ
視野が拡大するような言葉かけを前もって行うことも
できますね^_^
プリ・フレームは
どんな場でも活用出来ますし
そう思ってみてみると
普段、それを多くの場で活用されていることにも
気が付きますね!
絵は、額縁で大きく印象が変わりますよね!
前もって、その絵が、それを受け取る人にぴったり合った
一番価値を発揮してくれそうな
あなた独自の素敵な
”フレーム”
をつけることで
最大の価値を発揮してくれるんだと思うんです^_^
読んでくださったあなたに
「今日は、ケアの前に ”どんなフレーム” を付けてみようかな?」
って実践してみてもらえたら嬉しいです^_^
それでは今日も良い1日になりますように!!
♯エジンバラ産後うつ病問診票 ♯プリ・フレーム ♯看護教育
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